風水とは?歴史や考え方、陰陽五行思想を解説

この記事では、風水の意味や歴史、基礎知識について解説していきます。風水というと、「ちょっと胡散臭いな」と感じる方もいるかもしれません。しかしこの風水、実は環境学や地理学、統計学が根底にある、れっきとした学問分野でもあるんです。

「最近ツイてないな……」と感じるあなた。約5000年もの歴史をもつ風水の考えを生活に取り入れ、実践してみてはいかがでしょうか。運気を引き寄せ、ポジティブに一日を迎えることができるようになるはずです。

風水とは

風水とは、中国で誕生した開運マニュアルのようなものです。風水には「運気は後天的に引き寄せることができる」という考えが根底にあります。周りの環境、身に付ける物、自らの行動。その全てを使い、運気を上げていくわけです。

  • 「玄関を掃除すると運気が上がる」
  • 「部屋の南東に〇〇を置くと恋愛が上手くいく」

こんな話を聞いたことはありませんか?これらは風水の代表例です。「運は自分の力で引き寄せられる」という前向きでとってもパワフルな考え方が基盤にあるわけです。筋トレと同じ。日ごろの努力と行動で結果を引き寄せるのが風水です。

風水の起源と歴史

風水が誕生したのは、約5000年前の中国。とてつもなく長い歴史ですよね。昔は都や墓地の設計だけでなく、戦争の際にも風水を駆使していたというのだから驚きです。国の命運を握った学問分野と言っても過言ではないほど、風水は重要視されていたわけです。

そんな風水が日本にやってきたのは602年頃。百済(くだら)のお坊さんが海を越え、風水の書物を持ってきたのが始まりです。聖徳太子は風水の考え方を気に入り、寺社仏閣や都の設営に積極的に取り入れるようになったのです。

1000年近くもの間、京都が政治の中心地であったのも、風水を使った都作りを徹底していたからだと言われています。

風水の基本「陰陽五行説」とは

風水の基盤にあるのが、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)の思想です。陰陽五行説では、「この世のあらゆるものは五行(火・水・金・木・土)に分類され、それぞれ陰か陽かの性質をもつ」とする考え方です。

例えば陰陽説では「月と太陽」、「静と動」、「死と生」、「女と男」はそれぞれ「陰と陽」に分類されます。どちらが優れているというわけでなく、どちらも世界に不可欠な性質です。この陰と陽のバランスを適切に保てないと、運気が逃げていくと考えるわけです。

同じように五行説でも、自然界のあらゆる物や概念を5つの要素に分類します。例えば「プラスチック製品」、「化繊類」、「赤色」、「男性」などは「火」の性質。「流れること」、「黒色」、「女性」などは「水」の性質に分類されます。


これら陰陽のバランスを適切に保ち、相性の良い五行の要素を生活に取り入れていくことで運気を上げるという考えが風水の基本です。

相生(そうじょう)

五行にはそれぞれ相性があります。相性が良く、お互いに運気を上げることのできる関係を「相生」と呼びます。例えば「水」は「木」を成長させることができます。五行では「水」と「木」の性質は相性が良く、運気を上げる「相生」の関係にあると言えます。

相剋(そうこく)

対立しあい、運気を下げてしまう五行の関係を「相剋」と呼びます。例えば「水」は「火」を消してしまうので、この二つは相剋の関係にあると考えられています。風水では、「相剋」関係にあるものを一緒にすると運気が下がり、「相生」関係にあるものをセットにすると運気を引き寄せることができると考えるわけです。

五行思想における方角と色

風水で運気を上げるには、方角と色を意識する必要があります。なぜなら、方角や色にも、風水の基本である「五行思想」が当てはまるからです。

北(愛情・金) 水(黒)→白・シルバー・ベビーピンク
北東(転職・貯蓄) 土(焦げ茶)→白・赤・茶・オレンジ
東(勉強・仕事) 木(青)→赤・ベールブルー・ターコイズ
南東(恋愛・結婚) 木(緑)→オレンジ・ミントグリーン
南(美容・知性) 火(赤)→白・ベージュ・ライムグリーン
南西(不動産・家族) 土(黄)→ベージュ・コーラルピンク
西(恋愛・お金) 金(金)→アイボリー・パステルイエロー
北西(出世・貯蓄) 金(白)→クリーム・ベージュ・シルバー

風水では、方位ごとにそれぞれ司る運気と五行の要素、対応する色があります。上の表では、各方角に対応する五行の性質や色、そして相性が良いとされる色を紹介しています。

例えば恋愛運や結婚運を司る南東は、五行思想で言うと「木」の性質、色は「緑」に該当します。相性が良い色はオレンジやミントグリーン。つまり、「最近イイ男いないな……」と悩んでいる方は、部屋の南東にオレンジやミントグリーンのアイテムを置くことで運気が上がるというわけです。

いかがでしょうか。五行の要素、方角、色。これらの性質を知り、「相生」の関係をつくることで運気アップを図るのが風水の考え方です。

風水で運気を上げよう

この記事では風水の意味や歴史、基本的な考え方について解説しました。5000年の歴史をもつ風水。古代より戦争や国家事業の際にも用いられたことを考えれば、その影響力は計り知れません。

しかし記事でも紹介したように、風水は私たちにとっても非常に身近で、簡単なものです。ほんの少しの知恵や工夫で運気が上がるなら、これほど嬉しいことはありませんよね。いつも「なんとなく」で買っていた洋服やインテリア。今日から少しずつ、風水の考えを取り入れてみてはいかがでしょうか。

細かな工夫が運気を引き寄せ、明日をポジティブな気分で迎えることができるはずです!